2002年

Joy of Mt.Shasta

2月21日

 昨夜、ベッドの中で私はうつらうつら考えていた。この旅はもちろん5人みんながシャスタと繋がる旅。でも私的に、親不知の手術をするという夫を残し、娘という日常と共に来たこの旅の意味はいったい何だろうと。朝、隣の教会の屋根の上から射し込む思わぬ朝日に目が覚める。もしかして、晴れた?そう、清々しい光あふれる朝だった。うれしくって思わずちかを連れて散歩に出る。昨日の天気がうそのよう。目の前には雪をかぶった光り輝くシャスタ山。その美しさ。その神々しさ。
 とっても美味しい朝食をいただいた後、ひろみさんにKIVAと呼ばれるスペースへ案内していただく。ひんやり木に包まれたKIVAには古代民族の移動テントを思わせる優しさがある。ここでオーラソーマのセントジャーメインのクイントエッセンスをみんなにお分けする。シャスタはセントジャーメインというマスターのエネルギーだといわれているのだ。この香りを施すうち、みんなの中に自然と瞑想がおこり、やがてチャンティングが始まった。今を楽しみ、ただくつろぐ。これがその感覚なのだ。まるで母親の胎内にいたときのように、安心して素の自分になれる。その心地よさ。今ここにいることが嬉しい。なんだか顔も身体もすっかりリラックスして、自然にみんなに笑いがおこる。
 それから6人でシャスタ山の西のふもとへ行ってみた。ここからは人工のものは何も見えない。ただ圧倒的な存在感のシャスタ山と私たちが居るだけ。昨年の夏、私たち家族とゆみちゃんで来たときは頂上のところに少しだけ雪が残っていた。その雪をめざして夫とちかは上へ上へ登っていったが届かなかったらしい。今は雪のドレスも長くまとい、優雅にたたずんでいる。シャスタのまわりの山々も美しい。ピラミッドのような赤い山、遠くに連なる白い峰々。そして、山にかかる羽衣のような天使雲。澄んだ空気の中で、私たちはうっとりと過ごしていた。
 昼食を食べた後は待望のクリスタルショップ。石には詳しいゆみちゃんとえみちゃんだが、それだけではなく石を深く愛していることが2人を見ているだけでよくわかる。店のオーナーもそれがわかるのか、次々と他の部屋も見せてくれ、1m立方もあるようなクリスタルの塊が置いてある倉庫にも連れて行ってくれた。この大きなクリスタルの岩を見たとき私は、初めてクリスタルの魂を感じたような気がした。クリスタルも私たちと同じ地球に存在する仲間なんだーと思った。今まで石のことは私にはわからないと思ってきたけれど、木や雲や動物たちがそれぞれ個性をもち、人間と同じようにこの地球に生きているように、石たちもその仲間なのだとわかった。
 店内にもどったら、みんな思い思いに石と会話をはじめた。mioちゃんは名もわからず探していたイシスにまるで用意されていたように出会い、ちかはいつものように脇目もふらず一つの石を握りしめたら離さない。私はInnerChild&Magnificationという、2つのクリスタルが重なり合い、間に小さなクリスタルが内包しているものを手に取った。ちかが「こっちはお母さん、こっちがちか、中のが赤ちゃんだね」という。そう思ってみると、益々手放せない。中の赤ちゃんクリスタルが虹色に輝いている。このクリスタルを持っていると、おなかの子だけでなく、私の中のインナーチャイルドも安心してくつろいでいるのがわかる。今まで漠然とだが、私は家族といるとき何故か自分らしくいられない気がしていた。きっと大人であろう、よき母親であろうとして自分の首を縛っていたのだろう。ただ自分でいることにくつろぐ。ひとりでいるときだけでなく、母であるときも、妻であるときも、人々の中にいるときも私はOK。そう思えたとき本当にくつろぎの時がやって来るのだ。母であるときも私は自由なんだ。ちかと一緒にシャスタに来たこと、魂の友と旅することは、そんな大きな気づきをもたらしてくれた。この石はそのシンボルかもしれない。
 その石を持ったまま何げなく、えみちゃんが見ていたクリスタルカードを私もひいてみた。石の名前はよくわからなかったが、#24Youというメッセージがでた。メッセージの下に書いてあった4つの数字がとても気になりオーナーに聞くと、これはオーラソーマのように4つのクリスタルカードからのメッセージらしい。そこで数字の通りにカードを並べていくと#11Love、#24You、#37One、#50All。これだけでもすごいメッセージだが、これをボトルに置き換えたときの、そのメッセージの大きさに私は圧倒された。11はマスターナンバーであり、エッセネ派の数字。24はニューメッセージというボトルに対応し、37は私の誕生数のボトル「地上に降りた守護天使」、そして50エルモリアは私にとって特別なボトル。オーラソーマのコース中になんども現れた、たぶん私を見守ってくれているマスターだ。私は守られていることを身近に感じ、ただただ感謝の気持ちでいっぱいになった。しばらく、しみじみとその感覚にひたりながらぼんやりしていたが、気がつけば、なんと3時間もここで過ごしてしまっていた。
 行きたいと言っていた地元の温泉に行くには暗くなってしまったので、Innに戻りジャグジーにつかることにする。でもその前に夕焼けを見ようということになって外へ出た。澄んだ空気のなか、空の色はピンク、ゴールド、パープルへと刻々と変わっていく。そして日が沈んだ後、シャスタの山に向かって雲の十字架がささっているのが見えた。私たちの頭上を飛んだ飛行機雲も、目の前で十字架に変わっていく。UFOがいてもおかしくない不思議な空だ。ジャグジーに入ってみると、今日は木の間から月も見え、また一段と気持ちがいい。
 それから夕食後はヒーリング大会が始まった。最初えみちゃんのくまちゃん先生と呼ばれるぬいぐるみと、ちかのたくさんのぬいぐるみで遊んでいたのだが、それがヒーリングごっこに変わり、そのうちmioちゃんゆみちゃんが横になり石を持ちながら手を繋ぎ、えみちゃんと私が2人の足首を持ち、その間をちかがはね回る。けして静かで厳粛なヒーリングではなく、ぷっと吹き出しそうになるのをこらえるのが大変だったけど、それがまた楽しくますますリラックスしていく。5人とぬいぐるみと石が一体になって、シャスタ山の至福のエネルギーと溶け合っていった。

つづく。。。